【補聴器情報・奈良版】ミ二辞典シリーズ(ハ行)ハウリング

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「 補聴器ご自宅.com 」のブログヘようこそ。

おはようござます。毎日、暖かくなってきましたね。

昨日、駐車場の大家さん(80代女性)と談笑したのですが、

飼っておられる犬(飼われて14年経過)も、春が近いことを察し、毎日、外に出たがっている・・・とのこと。

春は誰もがワクワクする季節ですね。

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さて、本日の補聴器ミニ辞典(ハ行)

【 補聴器 ハウリング 】

最近は、補聴器の高性能化もあり、ハウリングもかなり抑えられるようになりましたね。

今日は、なぜ、ハウリングが起きるのか?についてお話します。

結論から

ハウリングの原因は、


閉ループゲインが1を超えていて、
位相が同相であるときに起こります。


???

意味わかりませんよね・・・(すみません)

もう少し噛み砕きます。(それでも難しいかもしれませんが)

<まずは、閉ループゲインの説明から>

補聴器の音が大きくなる仕組みを簡単に言うと、

マイクから入力した音がアンプで増幅、レシーバから出力する流れになるのですが、

レシーバー部分から出た音が、マイクに戻る場合があります。

(=厳密には、音響機器全てに同様の可能性あり。)


※オーダーメイド補聴器であれば、隙間、ベントから。
 RIC補聴器等のオープンタイプであれば、その特徴から。

ただし、全ての音がマイクに戻るわけではなく、その一部=補聴器で増幅した音がマイクに減衰して

戻るわけです。

一つの閉じた輪、即ち閉鎖したループになっています。この閉鎖したループ全体の増幅率のことを
閉ループゲインと呼びます。


ここでは、

戻る音を例えば、100分の1とします。


補聴器で増幅する量を100倍と設定した場合、

戻る音 100分の1×補聴器が大きくする量 100倍=1 となります。

この場合はハウリングしません。(=閉ループゲイン1と表現します)

※この状態であれば、ボリュームを上げなければ、ハウリングはしません。


では、ボリュームをほんの少し上げた場合はどうか?

<補聴器が大きくする量を101にすると>


戻る音100分の1×補聴器が大きくする量 101倍=1.01。

(閉ループゲイン1.01)

※つまり、1回目に、マイクに戻った音は101倍となって レシーバーから音が出ます。

この101倍となった音が、再びマイクに再び戻ると、

101×1.01=102,01

さらに戻ると、103.03・・・と続いていきます。

※どんどんピー音が大きくなります。
※最大出力の大きさで終了となります。

< 位相とは >

書籍による位相の一般的解説は、

「位相とは電流や音が発生する周期的な波形のうち、同じ地点に相当するところを測った位置や状態のこと」

とあります。

■補聴器がハウリングするのはどんな時?


?レシーバから出た音の形の位置が、マイクに戻ったときの波の形の位置と同じであるとき
ハウリングします。

■何故?


波形のプラスとプラスが重なるとプラスが大きくなります。
即ち加算される。

この条件がハウリングを発生するのに必要になります。

逆に、

マイクの入り口で元の音がプラスになっていて、レシーバから音がマイクの入り口に戻った時に
マイナス側になっていると、音は打ち消し合うので小さくなります。

つまり、この時はハウリングが発生しません。
※ハウリングキャンセラーはこの原理を活用。

<本日のまとめ>


ハウリングが起きる二つの条件は、

1、閉ループゲインが1を超えていて、
2、位相が同相であるときです。


ハウリング抑制は、このハウリング条件をどのように回避するかの観点から、

各メーカーで様々な方法が考案されています。

< 編集後記 >

本日のブログは、少々難解な内容となりました。

私も、メーカー営業時代に、何度か躓いたところです。(苦笑)


今でも師と仰ぐ、補聴器技術の達人のヘルプなしには理解できませんでした。。。(汗)

明日からは、いつもどおり、やわらかい内容に戻して参りますね。

< お知らせ >

ご好評いただいている当店の、

【 補聴器のマンツーマンシステム 】

4月以降、さらにバージョンアップいたします。

購入してからの60日間が、その後を決定する
といっても過言ではありません。

詳細ページ出来ましたら、またご報告させて
いただきますね。

本日は以上です。

関わる全ての人々を、補聴器を通じて、よりハッピーに!