【奈良市発】補聴器ミニ辞典(ナ行)なぜ、高い?

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おはようございます。

いやー、昨日は突然の雨に参りました・・・

生駒市のお客様宅からの帰り道、前が見えないくらい激しく降っておりました。

そんな中、私の機材道具が濡れないように、と傘をさしてくださり、車の前まで送っていただいた、Bさん

長時間に渡り、ありがとうございました。

(そして、今日のお誕生日、おめでとうござます!お孫さんとの誕生会、楽しんでくださいね。)

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さて、本日の補聴器ミニ辞典(ナ行)

【 補聴器 なぜ高い?】

いつもと異なり、形容詞的なキーワードです。

これまでも、価格構造については、触れていますが、最近、読者になっていただいた方もあるので、

おさらいしておきます。

私が考える、

< 補聴器が高い理由 5つ >

1、ICチップの開発費が高い

2、メンテナンス料の前受け金額

3、商品認知の問題

4、集客コストの問題

5、流通コストの問題



1、ICチップの開発費が高い

私は、ドイツメーカー出身ですが、今年始めに受けたスイスのフォナック社のセミナー
でも同様の話をききました。

ひとつの新製品(=ICチップ)開発するのに、数十億?数百億円がかかってくると。

そうなると、中小のメーカーでは、正直言って太刀打ちできませんし、

市場規模からいって、日本のみを対象にしていたのでは、成り立ちません。

補聴器のメーカーが欧米に集中しているののも、世界戦略をもっている企業が多いから。

※自社でICチップを開発できる企業は世界でも4社ほどと言われています。

※現在のように、10社近くもメーカーが存在するということは、 自動車のように、見えないところで、ICチップがOEM提供されていることもありますね。

2、メンテナンス金額の前受け

この点は、補聴器ビギナーの方には、理解しがたい点かもしれません。

補聴器が電気製品のように、購入して終わり、の商品であれば、価格はもっと安くなります。

ただ、電気製品と異なり、あの小さい本体の中に、拡張性をもった機能が含まれています。

時間をかけて低下した難聴(主に老人性難聴)には、時間をかけて、フィッティング(調整)する必要性が
あるからです。

急激に足りない音を補正しても、耳も、頭も、驚くとともに、疲れてしまい、

本来の、聞くことに集中できなくなってしまいます。

ですので、まずは、助走段階から、徐々に音量、音質の変化をつけていく必要があります。

この過程には、個人差があり、1ヶ月で慣れる方もあれば、半年近くたって、ようやくと、といった方もございます。

当然ながら、補聴器の調整は何度行っても無料です。

※保証期間が過ぎても、調整については無料で?行うことが 一般的です。

(ここ、ご存じない方、多いです。)

3、商品認知の問題

補聴器とはどういったものか、
補聴器はどこで販売しているのか、
補聴器はどうやって購入するのか、

商品として、既に認知されていれば、価格の表示だけで済むと思いますが、

補聴器の場合、そうはいきません。

つまり、

補聴器を知っている人、補聴器を装用している人が、

【 圧倒的に少ない 】 のが、コスト高の背景です。

このため、
<メーカー側でも>

新聞・雑誌広告、

テレビ・ラジオCM、
チラシの作成
イベント実施

等を行い、補聴器を多くの方に、広くPRする必要性があります。

4、集客コストの問題

こちらは、主に販売店側の背景。
メーカー同様に告知、集客する必要性があります。

お聞こえの不自由な、ご高齢の方を、

増えてきたとはいえ、

ネットだけで、集客するのは、まだ、難しいと思います。
このため、アナログ的なコストもかかります。

<販売店側の背景> 


チラシ・広告による認知度UP

店の立地条件(便利な駅近だと、コストが割高)

5、流通コストの問題

補聴器の専門店のように、

初歩段階である、補聴器の基本についての、
特別な教育は必要とせず、

製品情報だけを知ってもらえれば、

販売ルートに載る環境であれば良いのですが、

兼業店(主にメガネ店)の方に、補聴器を伝えていく
となると、人的コストがかかります。

※3月は、3月3日(耳の日)もあり、毎週末、お店で『 補聴器の相談会 』なるイベントが
行われます。

『 今日はメーカーさんが来ています。 』

このフレーズを聞かれたら、

ここに書いているとおり、

メーカー自らが体を張って、補聴器を広めているんだな、と感じていただけたらと思います。

※ついでに、コスト高の一因であると。

本日の 『 補聴器 なぜ、高い?』 は、以上です。

※我々含め、これらのいくつかを解消し、多くのお客様に喜んでいただける補聴器の業界にしていかないと
 いけませんね。

< 編集後記 >

冒頭でも書いた当店のお客様、Bさん。

これまで、2台の補聴器を買われています。(今回で3台目)

初代の補聴器は、10年近く使用され、今もお気に入りの1台。(まだ、きれいな音が出ていました。)

補聴器のご自宅サービスを受けるのが、今回初めて。

今回、ご縁あって、お伺いすることになったのですが、
10年以上使用されているBさんでも、

【 補聴器の装用効果テストを行うのが初めて 】

と聞いて、私も驚きました。

当然、専門店であれば、知識も豊富。

でも、使わない知識は、お客様のためになりません。

このあたり、反面教師にしながら、今後も全力で取り組んで参りたいと思います。

<本日の動画>

使用済み電池の処理方法は???




関わる全ての人々を、補聴器を通じて、よりハッピーに!